3位『ディパーテッド』(2006)
スコセッシは、このボストンを舞台にした犯罪スリラーで、ついにオスカーを獲得した。香港映画の傑作『インファナル・アフェア』(2002)のリメイクで、ディカプリオはギャング組織に潜入した警察官、マット・デイモンはスパイとして警察に送り込まれた組織の一員を演じている。複雑に入り組んだ、追いつ追われつの興味深い物語だが、スコセッシと脚本を手掛けたウィリアム・モナハンは、悲劇的な要素をふんだんに盛り込んだため、ほとんど神話とも言っていいような作品に仕上がっている。ディカプリオは、自身のアイデンティティを失いかけた絶望的な男として、非常に地味で汚れた役どころを見事に演じた。これまでのキャリアで最高のパフォーマンスに入るだろう。
2位『インセプション』(2010)
クリストファー・ノーランによるSFスリラー。ディカプリオは人々の夢に入り込み、彼らの考えを盗み出す企業スパイ。月並みなフレーズ『最後のミッションのため』に、彼のチームはいつものように脳のデータを盗むのではなく、指定された人物にあるアイディアを『植え付ける』計画を遂行する。なぜこのような型破りな設定と複雑なストーリーの作品が、大ヒットしたのだろうか?ノーランの巧妙なダイアログと、綿密に計画された連動するアクション・シーンは、評価に値する。だが、悪霊を寄せつけまいとするが上手くいかない、良心の呵責に苦しむ優秀なスパイを演じたディカプリオを忘れてはならない。この映画で彼は過小評価されているが、実際は卓越した演技を披露しているのだ。これほど悲壮感が漂う超大作も珍しいが、それは他でもなく、凡庸で陰鬱な主人公に人間らしさをを吹き込んだディカプリオの演技によるものである。
1位『タイタニック』(1997)
何て言った?この作品はそこまでの映画じゃない?まさか。これまでの興行成績の記録を塗り替えた、ジェームズ・キャメロンのオスカー受賞作。オールラウンドで大衆文化的なジャガーノートだ。当時、史上最高の製作費を投じ、完成までに何年も費やしたこの作品は、このまま日の目を見ずに終わるのではないかと意地悪く揶揄された。そして、遂に完成した映画は、畏怖の念を起こさせる作品だった。映画製作としては、デヴィッド・リーンが『アラビアのロレンス』で、砂漠の感覚に訴える性質に対してして行ったことを、ここでは、海の広大な暗闇に対して行っている。しかも、パニック映画の狂想を、悲劇の要素を失うことなく伝えているのだ(最先端の効果を駆使して、歴史的に有名な沈没を描いているとしても)。そしてもちろん、レオとケイトがいる。彼らの関係を一言で表すとこうだ。冒険好きな放浪者が、不満を抱いた上流階級の少女に恋をする。実に陳腐である。だが、2人の若手スターは、堂々巡りのやり取りに真の感情を込めているので、彼らの不幸なロマンスに心を奪われないではいられない。この作品はいまだにディカプリオのキャリアの頂点にある。そして、ここ20年の間にハリウッドが生み出した最高の映画のひとつである。