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レット・イングランド・シェイク | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

レット・イングランド・シェイク

すべてのブリティッシュ・ロック・スターは、英国の歴史と神話に基づいた、彼らのヴァージョンの『レッド・ツェッペリンⅢ』を作る。通常それは田園風の祝祭や、五月祭りにおけるドルイド教の踊りを意味する(聴け、詩人よ! それは生垣の中のざわめきか?)が、ポリー・ジーン・ハーヴェイは彼女の流儀を貫き、『レット・イングランド・シェイク』には、何の祝祭もない。「わたしを美しいイングランドへ連れ戻しておくれ」と歌う時でさえ、彼女は戦争や帝国主義、劣悪な下水設備に焦点を置いているのだ。
『レット・イングランド・シェイク』は、内省的なピアノの告白だった2007年の前作『ホワイト・チョーク』とは、まるで別世界だ。本作において、彼女は長年のコラボレーターであるジョン・パリッシュやミック・ハーヴェイ、プロデューサーのフラッドと共に、19世紀の片田舎の教会に身を隠した。サウンドはミュートされたギターとオルガンのバラッドを中心に、メロディに重点を置きながらもロック過ぎることなく、さまざまなエレクトロニックのフィルターを通した彼女の声が、少々の心神喪失っぽい雰囲気を加えている。
「ラスト・リヴィング・ローズ」で、彼女は英国の“灰色で湿った、不潔な年寄りたち”について歌う。ギタリストとして常に過小評価されているハーヴェイは、ブリティッシュ・フォークの粋なリズムを利用しながらも、過去に安住しない。英国の歴史、もしくは英国のすべてがハーヴェイの呪文に陥落しようとも、気にすることはないだろう。

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