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ザ・ベースメント・テープス・コンプリート:ブートレッグ・シリーズ第11集 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

ザ・ベースメント・テープス・コンプリート:ブートレッグ・シリーズ第11集

1967年、ディランが人里離れた環境でレコーディングしたブルースやカントリー、フォークバラードは、これまでブートレグや1975年の2枚組アルバム、はたまた新たに掘り起こされたテイクとして小出しに発表されてきた。そうして半世紀。ディラン自身は作るつもりはなかったが、それでも彼にとって最高と言えるアルバムがようやく日の目を見た。

1965から66年にかけてのツアー、66年7月のオートバイ事故の後、後にザ・バンドとなるメンバーとセッションし、テープに録音したディラン。この6枚組CDセットは、その音源を可能な限り集めている。

セッションはのんびりとした雰囲気で、それまで一種異様と思えるほど祭り上げられてきたディランにとっては、“癒し”だったに違いない。繰り返されるナンバーは多くがカバー曲。古いブギーやトップ40にランクしているような楽曲は、ザ・バンドにとっては朝飯前だ。ロビー・ロバートソン、リック・ダンコ、リチャード・マニュエル、リヴォン・ヘルム、そして録音担当のガース・ハドソンといえば、飲み屋でのリクエストにも軽々と応えてきたベテランなのだから。ディランは彼らの絶妙なハーモニーやジャンルに捉われない奔放さを見て、自分と思いを共有できる、自分と同類の人間だと感じた。アルバムにはダンコやマニュエルとの共作、ジョニー・キャッシュのカバー、「100万ドルさわぎ」に「おもいぞパンのビン」、さらには未発表曲までが収録されている。数々の偉大なバンドを率いてきたディランも、メンバーとの絆がここまで深かったことはなかったはずだ。しばしの隠れ家生活でザ・バンドと作り上げた至宝は、今も輝き続ける。

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