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ボーイ | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)
これら初期のアルバムを聴いてみると、今や巨大なロック・バンドも、昔は若いガレージ・バンドのような青臭い時期があったと実感する。  今回、80年代を彩った珠玉の名作3枚がデラックス・エディションでリイシュー。80年の『ボーイ』はポストパンクのニヒリズムを感じさせつつ、スピリチュアルかつ快楽主義の風情を漂わせる。81年の『アイリッシュ・オクトーバー』は、とても真摯で思慮深さを感じる一枚。彼らの足跡を丁寧に、克明に記したアルバムだ。エッジの歪んだギターが冴え渡る83年の『WAR(闘)』は、アリーナ・ロックの骨太な質感を備えている。「ブラッディ・サンデー」(83年)や「ニュー・イヤーズ・デイ」(83年)などのヒット・シングルもこの頃のものだが、後の『ヨシュア・トゥリー』(87年)での世界制覇や、ベルリンで制作されたテクノ風の『アクトン・ベイビー』(91年)への道筋が見えるような気がする。『ボーイ』からのシングル「アウト・オブ・コントロール」や「ストーリーズ・フォー・ボーイズ」も、来るべき成功を感じさせるものだったが、それと同時に重たい雰囲気の曲だった。アダムとラリーのリズム隊も鋭いバック・ビートを響かせているし、安定感のあるヴォーカルというよりは、情熱がほとばしるボノの歌声も今よりも生々しい。  それ以上に、『ボーイ』のディスク2に収録された、ライヴ版の「ボーイ-ガール」や「11オクロック・ティック・タック」といった曲が強力(イギリスのマーキーで収録された)だ。彼らのライヴのスキルが磨かれ、開花していく姿が感じ取れるのだ。『アイリッシュ・オクトーバー』のディスク2に収録された「アイ・フォール・ダウン」や「アイリッシュ・オクトーバー」のライヴ版も同様である(こちらはイギリスのハマー・スミス・パレスで収録されたもの)。若者が背伸びをして虚勢を張っているようなガムシャラなパワーを感じる。  そして『WAR(闘)』のディスク2にはライヴ・トラックに交じって、クラブ向けのリミックス曲が収録されたりしていて、その後の『アクトン・ベイビー』のテクノ路線を予見させる。

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